日常と好きなもの。活字中毒ブログ。
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六月二十七日 晴れ
日の照る中、乳飲み子の息子と散歩に出る。
公園にクローバーの群生を見つけた。
寝返りもうたぬ息子を、木陰にころりと転がし、四つ葉探しを始める。
四つ葉は香りがする、と昔聞いたのを思い出し、鼻をすりつけながら地面を這う。
「あなたがお探しなのはこれですか。」
振り返ると、琥珀のループタイをつけたご老人が、四つ葉を差し出していた。
「そうです。」
ご老人は、ついと四つ葉を渡そうとする。
「よいのでしょうか。」
深く頷くご老人から四つ葉を受け取る。
すると、たちまち四つ葉は砂と消えた。
「自分で探さないといけないのでしょうね。」
「どうやらそのようですね。」
ご老人が残念そうに首をかしげ、会釈をして去ってゆく。
もう帰ろうと息子を抱き上げると、息子の手には四つ葉が握られていた。砂にしてしまったら申し訳ないと、四つ葉には触れないように気を付けて帰る。
家に着き、乳を与えていると、飲みきれず垂れた乳が桃色だった。ぺろりとなめると氷いちごの味がする。
息子の幸運はこれだったのかと納得する。
息子の手を見ると、四つ葉はもう消えていた。
日の照る中、乳飲み子の息子と散歩に出る。
公園にクローバーの群生を見つけた。
寝返りもうたぬ息子を、木陰にころりと転がし、四つ葉探しを始める。
四つ葉は香りがする、と昔聞いたのを思い出し、鼻をすりつけながら地面を這う。
「あなたがお探しなのはこれですか。」
振り返ると、琥珀のループタイをつけたご老人が、四つ葉を差し出していた。
「そうです。」
ご老人は、ついと四つ葉を渡そうとする。
「よいのでしょうか。」
深く頷くご老人から四つ葉を受け取る。
すると、たちまち四つ葉は砂と消えた。
「自分で探さないといけないのでしょうね。」
「どうやらそのようですね。」
ご老人が残念そうに首をかしげ、会釈をして去ってゆく。
もう帰ろうと息子を抱き上げると、息子の手には四つ葉が握られていた。砂にしてしまったら申し訳ないと、四つ葉には触れないように気を付けて帰る。
家に着き、乳を与えていると、飲みきれず垂れた乳が桃色だった。ぺろりとなめると氷いちごの味がする。
息子の幸運はこれだったのかと納得する。
息子の手を見ると、四つ葉はもう消えていた。
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みこ
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性別:
女性
自己紹介:
25歳
旦那・息子(8ヶ月)と3人暮らし
好きな作家
坂口安吾 川上弘美
リリー・フランキー
三谷幸喜 高山なおみ
エッセイ以外の吉本ばなな
好きな漫画家
ジョージ浅倉 安野モヨコ
浦沢直樹 星野之宣
好きな絵本作家
エリック・カール
エロール・ル・カイン
好きな音楽
椎名林檎
クラシックなら ラヴェル ショスタコ
好きなお酒(禁酒中)
焼酎 自家製梅酒
好きなゲーム
どうぶつの森 幻想水滸伝
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